ピーチテックの産毛

最近では、吸汗速乾や快適性を求めて全て化学繊維で作られた肌着が多く、人間の自然な肌に化学繊維が直接触れていて本当に優しいものなのかと疑問に感じていました。

人肌に触れる部分が全て天然繊維。
染色ではなく表面には色や柄が自在にプリント出来る。
薄くて伸縮性が高い。
着用時には包み込むような優しいフィット感。

それが私の想う、着用して人に優しい生地でした。

多くの専門家や有名な繊維メーカーにも素材を探してもらいましたが見つからず、繊維メーカーではそれを編み立てる事自体が難しいのでは?と言われた事もありました。

半分諦めかけていた時、知人にひとりの編み立て技術者を紹介されました。

彼は定年により既に大手繊維メーカーを退職され、地元足利に戻り、NPO団体で社会貢献活動と時々趣味のハーモニカ演奏で施設を巡る日々を過ごしておりました。

初めてお会いした時、私にはもうそんな技術はないので無理と言っていた彼。
私の話を聞くとみるみる目が輝き出し、その生地は作れる可能性が高い、何故なら過去にそのような生地を作った事があるとの事。
そして、その人脈を通して当時の生地サンプルを手に入れてくれました。

「これだ!」
私が長年思い描いていた生地との感動の出会いでした。

その生地は、十数年前に生産したことがあるが、編み立てバランスがとても難しいため効率が非常に低く、その上、綿とポリエステルを別々に染色しなければならずコスト高となり一度だけ生産されてという事でした。

私は早速彼に、3つの厳しい条件を提示しました。
①この生地の編み組織で、高級スカーフに使う極細のコットンを使いたい。
②表面はプリントするため綿糸が出ないようにしてほしい。
③極細のポリエステルとなるべく強めのポリウレタンを挿入してバランスよく編み立ててほしい。
それから数日後、関西の生地メーカーに自分が信頼できる友人がいて何とか開発に協力してくれそうだという朗報をいただき、早速会って打合せをさせていただきました。

それから怒涛の一年間、サンプル素材がアップされ、その後数々の改良を加えたトリプルリバーシブルと言われる人に優しい素材、ピーチテックが産声を上げた瞬間でした。

そして、生地の表面から薄っすらと見える綿の産毛が、まるで桃の表面のように見える事からその名のついたピーチテック。
この産毛がエステルと融合して静電気や 紫外線等から皮膚を守る事もテスト結果より明らかになりました。
そして、当社の昇華転写技術と組み合わせると水を使わない究極のECO素材となります。

日本の繊維業界のクオリティーを縁の下から支えた重鎮たちの知識と技術と繋がりで創り上げられたピーチテックは彼等が未来のために残してくれた宝物であります。

多くの人たちの縁が繋がって生まれてきた人のための人に優しい素材「ピーチテック®︎」

これから、どう人のためになっていけるのか!
しっかりと育てていきたいと思います。

ひとを美しく 社会を明るく 栃木県栃木市の女性下着デザイン縫製メーカー

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