名もなき名人
手作りやハンドメイドの品物は、個性的で素敵だなぁ って感動する事があります!
そして、その感動には決まって物語が伴っている事が多いのです。
今回の感動の素は結城紬(ゆうきつむぎ)
鬼怒川(きぬがわ)の語源は絹川という事から物語は始まります。
栃木から茨城を縦横無尽に流れる鬼怒川流域は昔、桑の栽培が盛んに行われ良質な繭から採れる絹糸の生産が盛んな地域でありました。
この地域の歴史と風土、それと人々が培った文化で紡いだのが結城紬です。
しかし、同じような歴史のある益子焼では人間国宝 濱田庄司のような有名な陶芸作家の作品が残っているのに、結城紬作家の名前を聞いた事がなく文化財なのになぜと不思議に思いますよね。
普段着の着物として作られていた結城紬は、農家が家族の着物を自前で賄っていたものが、ニーズと共に副業となり、数十工程もある特殊技術が必要な各製造工程は完全分業にならざるをえなく、農家のおじい、おばあ、おとう、おかあ達が各々の名人であり、総括した結城紬の名人という呼び方ではないようです。
それは、名もなき名人たち!です。
このような素晴らしい技術や文化を継承する方法として、ドイツ発祥のマイスターという制度があります。
最近、日本でも若年技能者人材育成支援等事業(ものづくりマイスター制度)が少しずつ浸透してきているようですね。
名もなき名人は日本文化の美徳の称号かもしれませんが、現代では仕事のやりがいと人生の誇りを感じられるこの制度は、素晴らしいと思います。
一番重要な人、その人の力を最大限に発揮してもらえる方法を提案するのも経営者の責務だと思います。
人の力が、「ひとを美しく 社会を明るく」していきます。
誠実な業務で安心を形にしていきたいと思います。
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