吾子夜鍋(アコヤナベ)
吾子夜鍋〜どぶ汁〜あんこう鍋
漁に出た夫や子供を迎えるため、浜の女達は火を焚き、どぶ汁を作って舟を待った。
男達はその炎の灯りを目当てに家族も元へ戻ってきた。
これが、夜、わが子を待つ鍋、吾子夜鍋(アコヤナベ)のいわれの様です。
そんなロマンのある地域の史実を味わってみよう!と思い立ちあんこう鍋の聖地、大洗へ。
海なし県の人間としては、若い頃の海(大洗)まで2時間以上のイメージが完全に覆り、今は北関東自動車道路を走ると1時間程度。
大洗は、あんこう鍋の聖地だけでなく、有名なマンガの舞台となった事により、聖地巡礼のスポットとしての広報に力を入れて観光客の増員のために盛り上げている事がわかります。
話を戻して、今回十数年ぶりに食したあんこう鍋、マスターが一人で切り盛りしている親潮というお店。
土鍋の上の方には身と肝、下の方にはアラ部となっており、白味噌の出し汁に野菜は白菜としらネギというシンプルなもの。
コンロで煮ながら最初は身と肝をゆっくり食べ、その間アラ部をしっかりと煮込むと骨から身が解れやすくなります。
そしてあんこうを全て平らげると、マスターがおじや(ぞうすい)を作ってくれます。
このあんこう鍋、思っていたほどの臭みも全くなく、スッキリした濃厚な味。
マスター曰く、浜の方のお店では、結構魚魚しい味のお店もありますよ(笑い)との事。
因みにどぶ汁は肝と味噌を混ぜ合わせた出し汁のあんこう鍋の事で、これが本来の地元食。
しかしながら、私の様な海なし県民には、吾子夜鍋の物語と料理人の心が入ったあんこう鍋で素敵な感動をいただけました。
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