選ばれる理由
関東平野を一望できる栃木市随一の景観を誇る太平山。
その陽当たり良好な南斜面の山すそに大平ぶどう団地があります。
私は、佐野のアウトレット付近に行くときによく利用する大平ぶどう団地の道路沿いのぶどう園には、夏本番の7月下旬から採れたみずみずしいく色とりどりのぶどうが並びます。
主要道路から外れたぶどう園などは、ぶどう狩りと食べ放題をセットにしたり、そのサービスも近年多様化しているようです。
今年も義理の兄に初物のぶどうを贈りたいと思い、先日、妻と2年ぶりにぶどう園に行ってきました。
私の両親が近年購入している父の知人のぶどう園に行くとばかり思っていましたが、妻は通り沿いにある1軒のぶどう園に車を止め、お店に入っていきました。
並んでいるぶどうはどれも種なしで試食のところにはそのぶどうの紹介がメモで貼ってあります。
私も有名なシャインマスカットとはじめ種無し巨峰など、全て試食して味を比べる楽しみも味合わせてもらいました。
帰りながら、妻にたくさんあるぶどう園の中から、どうしてこのぶどう園を選んだのか?と質問をしてみました。
「去年の初夏、義理兄が遊びに来た時に、好物のぶどうを持たせようと思い、時期が早いのでどうだろうと思い来てみたところ、このお店だけがやっていた」
「お店の主のような若い男性が、とても真面目そうな感じで、尚且つとても誠実に対応してもらい、好印象であった」
「ぶどうの品種毎に手づくり感のある説明書が付いていて、もらった方も安心して楽しく食べることが出来ると思う」
私のぶどう園の印象は、大平ぶどう団地の場合、代名詞である「巨峰」を店先に並べ、知り合いだと試食がたくさんできて、購入するとサービスで房から外れたぶどうをおばあちゃんがビニール袋に詰めてくれて「これ持って行って」と沢山もらえる田舎に遊びに来たというイメージでした。
しかし、最近人気のぶどう園は、一言でいう差別化が進んでいるぶどう園です。
それは同業が密集する中で自分の存在理由をしっかりと持って経営されていることだろうと思います。
ちなみに今回、妻が選んだこのぶどう園は、お店に掲示してあったパンフレットを見て気が付いたのですが、当社が現在宇都宮大学と組んでレディスアンダーウェアの開発に協力をいただいているとちぎ農業女子プロジェクトのメンバー様のぶどう園でした。
若夫婦が主体となって切り盛りしており、その中で若奥様が、とちぎのプロジェクトに参加されながら勉強して経営や業務の改善に活かされている事は、繊細な女性ならではの「手づくり感のある説明書」の同封などにより感じることが出来ました。
そして「巨峰」だけに頼らない各種の種無しぶどう栽培やぶどうのお菓子開発販売など、差別化に向けてとても努力をしてチャレンジされている事も強く感じ取れました。
「差別化」言うは易く行うは難し。
それを成し遂げる苦悩や孤独感、それに疑心暗鬼による迷走など、私をはじめ経営者が常に考え思い悩んでいる事です。
今回、それを夫婦というパートナーとの深い絆での協力性と、あうんの呼吸による信頼性という切り口で考えた時、成功を信じて一歩一歩手探りを続ける努力が選ばれる理由なのでしょう。
ぶどう園に行って、ぶどうのオマケをいただいただけでなく勇気もいただきました。
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